「トンネルなしには今はない」。父はそう言って話を続けた。
父は、高度経済成長時にトンネル内の配線や仮設電源の設置で、我々家族を養った。子供の頃に父のアルバムにあったどこかのトンネルの貫通式の写真を見た。全員、真っ黒な顔をして、いい顔をしていた。トンネルに対して、無意識的に引き付けられるなにかが子供の頃からありました。それがいったい何なのか確かめ、記録しようと始めたのがこのシリーズです。映画『エル・トポ』のオープニングが、今のところの解なのかもしれない、という気がしています。
気長に撮影していきます。