作家の作る箱、その中には作家の心が詰まっている。見ていて或る人が、中を見たいと言った。容れものかとも、何を入れるのか、とも尋ねた人がいた。作家は、白い綿の手袋を両手に着け、静かに、息を止めてゆっくりと箱を開けた。その人は、申し訳なさそうに箱の中を覗き込み、「空っぽだけれど美しい」と言った。
作家は、“無いけれど有る、有るのだけれど無い”を作品を通して作ってきたのだと、少しうつむきながら静かに話した。
空っぽな風景は、感じるしかない。空っぽな空間は、その美しさを証すために’側’を造る。そして、たとえ無くとも確かに或るし、美しい。
籠っていた作家の心は、少しずつ開かれていくように感じた。
静謐で気高い作品群であった。次の作家の心の風景を、箱の作品を通してまた感じたいと思った。
関連写真をPicasaにて公開いたしました。画像をクリックすることで別ページにジャンプします。
作家は、“無いけれど有る、有るのだけれど無い”を作品を通して作ってきたのだと、少しうつむきながら静かに話した。
空っぽな風景は、感じるしかない。空っぽな空間は、その美しさを証すために’側’を造る。そして、たとえ無くとも確かに或るし、美しい。
籠っていた作家の心は、少しずつ開かれていくように感じた。
静謐で気高い作品群であった。次の作家の心の風景を、箱の作品を通してまた感じたいと思った。
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小島靜二
(いわべ・たかあき)
1950年 東京都生まれ
駒沢大学大学院修士課程(仏教学専攻・1988年)修了
日本伝統漆芸展
日本工芸会賞(2002年)受賞
日本工芸会正会員
1950年 東京都生まれ
駒沢大学大学院修士課程(仏教学専攻・1988年)修了
日本伝統漆芸展
日本工芸会賞(2002年)受賞
日本工芸会正会員