「これは、一人の人間が持つ、自分だけの言葉だ」 映画『エル・トポ』上映に先立って
「お前は自己発見のために撃つ/俺は自己喪失のためだ/自己を失ってこそ完璧だ/そのためには 愛すればいい/だが お前は愛さないし/破壊や殺人では愛されない/お前は与えるつもりで/実は奪ってるんだ」
1970年に公開されたアレハンドロ・ホドロフスキー 監督のサイケデリック・ムービー『エル・トポ』。ニューヨークのエルジンという映画館で1年という長期に渡って上映され、ジョン・レノンを、デニス・ホッパーを、ミック・ジャガーを、アンディ・ウォーホールを魅了し、寺山修司が絶賛して1973年に日本上映を果たした。戦うことの無常さを問うガンマンたち、それを悪辣な手段で踏み潰す主人公『エル・トポ』。すべての夢が潰え、撃たれ、裏切られ、洞窟で長い眠りにつく。起き上がるとそこに待っていたのは現実と再生と破滅だった。多くの犠牲と露悪趣味とも取られがちな異形の人々の登場、そして殺戮、流血、死。野蛮でショッキングな、ほとんど悪夢且つ中毒的な幻想的映像と、底流にある無常観、そして「美しさ」という理屈とは無縁の「生命的感情」に対する絶対的な信仰心。これは、一人の人間が持つ、自分だけの言葉だ。
ある人たちにとって、この映画は人生観が大きく変わるきっかけとなるかもしれない。危険な会になると思う。僕は高校生の頃、『エル・トポ』に大いなる影響を受け、その後、パンクやノイズ、サイケデリック・ミュージックなど、ぶっ飛んだものへの志向が強くなって現在に至っている。僕の人生は一般的にはメチャクチャだろう、しかし、映画界のラスボス『エル・トポ』に関与できること、敬愛するホドロフスキー監督のメッセージを甲府に届けられることを誇りに思う。ぜひ上映終了後、皆さんと語り合いたいと思っている。
今回の上映には、僕ら悶★(モンスター)がセレクトした『エル・トポ』に共鳴すると感じたバンドを3つセレクトし対バンしてもらうことになった。『サウダーヂ 』『国道20号線 』『雲の上 』と、富田作品には欠かせない鷹野毅を擁する甲府のナイフ・パンク「LFB 」、小淵沢を拠点に東京で活躍する悶★紅一点、清水佐絵率いる山梨最終兵器ビックリパンク「HATENA TAXI 」、そして大阪からジョークと悪夢が入り乱れるメタ・ハードコアパンク「ざxこxば 」(桂ざこば=ex.桂朝丸)。甲府・小淵沢・東京・大阪・メキシコが入り乱れての大乱闘バトルを是非! 会場での出会いを楽しみにしています。
そして、次回4/15(日)はなんとなんと、ホドロフスキー監督の宗教に対する欺瞞を一挙に吐き出す超問題作『ホーリー・マウンテン』をStillichimiya 、芥川賞作家モブ・ノリオ とで徹底的に解体します。乞ご期待!
Ghost Temple
日向正親 (ひなた・まさちか)
楽しい映画上映会「悶★カーニバル」
第二回上映会「チャンピオン・オブ・チャンピオンズ」
映画:『エル・トポ』1970年メキシコ 35mm(上映はブルーレイ)123分
バンド:
L.F.B(甲府) http://www.l-f-b.net/
HATENA TAXI(小淵沢・東京) http://www.myspace.com/hatenataxi
ざxこxば(大阪) http://zxkxb.com/
開場:13:30 開演14:00 / 終演予定:19:00頃
前売り:3000円 当日3500円
主催:Ghost Temple
web http://atemzeit.fem.jp/gt/
Twitter https://twitter.com/ghost_temple/
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チケット予約等お問い合わせは桜座またはGhot Temple(090-1244-9048)まで。
「悶★」募集のお知らせ!
僕らと一緒にイカれた&イカした映画、ぶっ飛んだ音楽イベントを組んで、遊んでくれる「悶★」を大募集。面白いことしたい、頭ぶっ飛ばしたいBoys & Girlsはatemzeit@hotmail.com まで連絡よろしくす! 年齢・性別問わず! ぃよろしく!