今日、オギノでもも焼きを買った。
買い物する前に、焼き鳥屋台から煙が上がってるのを見て
もも焼きが食べたいと思った。
おじさんと話をした。買い物帰りに食べたいと言った。
いいよ、と言った。

買い物を済ませて、屋台に行った。
おじさん、もも焼きが欲しいと言った。
おじさんの顔をそのとき、初めて見た。
おじさんの顔は、軽トラックの中で焼き鳥しているからか
もも焼きと同じ色をしていた。
煙でいぶされて、もも焼きみたいな色をしていると思った。
おじさんは、もも焼きを火に当てて暖めた後、タレのつぼに
もも焼きを入れて、軽く混ぜた後、丁寧にビニールに入れてくれた。
380円と言った。
僕は400円を払った。20円を正面からまっすぐ出してくれた。
ビニールに包んだもも焼きを、僕から見て右側、おじさんから見て
左側を、カーブするように、出してくれた。
僕は子供のころを少し思い出した。また
息子に買って帰ろうとおもったけれど、アレルギーがあって
食べられないことを思い出した。
母が「自分、自分はもも焼きがうんと好きだから、買って来たよ」というのを
思い出した。
思い出してばっかりだと思った。
もも焼きは、甲府で一番好きな食べ物だと思った。