父方の祖父、兵庫県の奥山に生まれ、いつしか村を発つ。 鉱山技師として東亜含む国内外を渡り歩く。過去、うっすらと聞いた口傳が、祖父の筆跡のまま、手紙として残されていたのを知る。初見、しっかりと残るものさほどなくも、時が経つのも忘れ、古臭い山門の前に佇んでいる、焦点の合わない己を遠くから眺める。
この写真は昨年亡くなった仲間の魂と、俺の魂をすり合わせるために向かった、天目山の紅葉を感傷したもの。苦い汁が熟れた幹から染みていた。目を閉じれば色は忘れた。一葉一葉に名をつけた。島倉千代子の二重橋を聴いた。報せはない。
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